「現場力」とは、改善活動を成し遂げる基盤となる力。私は依頼先の会社全体の人の前で話すことは、ほとんどありません。
人間というのは、性格も考え方も人それぞれです。また、業務内容も立場もキャリアも違います。
そういう、まったく異なる人たちに、同じ言葉で話しをしても、あまり意味がないと考えています。
受け取り方も違うだろうし、
まして、外部の人間である私の伝えたいことを素直に理解してくれるはずがないのです。
だから、人に何かを伝えようと思ったときには、できるだけ一対一で会話をするようにしています。
個別に話すのが無理だとしても、立場もキャリアも同じ5人ぐらいが限界だと考えています。誰かを輝かせようと思ったら、まずその人のことを知らなければなりません。
そして、その人の才能やいい部分に惚れ込まなければならないのです。この姿勢は、相手が経営者であれ、ベテラン部長であれ、新人社員だろうが変わりません。
一人ひとりとじっくり向き合わなければ、相手を輝かせることなどできません。そして、一人ひとりが輝かなければ、決して「現場」は輝くことはないのです。
「じゃあ、どうすりゃ輝かせることができるの?」ということになるのですが、それはセンスとかスキルとかの問題ではなくて、最初にその人の
性格やモチベーションをどう見極めるかでほぼ決まるんじゃないか、という気がします。当然のことながら、人には得意不得意があるわけです。
そしてその人の長所を伸ばすべきか、はたまた短所を補っていくべきか、というのがコーチングの大きな分岐点であることは誰もが知っています。
短所が足を引っ張ることで長所が活かされない、という説もあれば、短所を差し引いても余りあるくらいの圧倒的な長所の育成の必要性を唱える者もいるわけです。
いずれにせよ、本人の中で「また今日も自分が成長した」というちいさな成功体験を一個でも多く実感することが大切なのです。
それが「明日の一段」を上げるためのモチベーションになるからです。とまあ、こんなことを考えていると、若い社員たちの成長の速さに驚くことがたびたびあります。
新たな能力が次から次へ飛び出し、とても嬉しく感じます。